神奈川県の社会福祉法人の中で
IT環境のトップをめざしたい
導入前の課題
・セキュリティ面を強化したい
導入後の成果
イントラネットが確立してデータのやりとりが効率的になった
100の事業所のIT環境をクラウドサーバで一本化
情報のやりとりを効率化し、セキュティを高め
導入
ポイント
事業所ごとにサーバやソフトを導入していた環境を改善
昭和50(1975)年、神奈川県綾瀬市に一部屋の「子ども生活相談室」が開設されました。この「子ども生活相談室」がその後発展し、昭和57(1982)年、大和市の「社会福祉法人県央福祉会」としてスタート。 今では設立から30年を越え、職員数約1300人、事業所も県内9市100カ所を越える大所帯となりました。業種も福祉、介護、保育、医療と多岐に渡って展開されています。
社会福祉法人の施設にはひとつの建物にベッドがいくつもあるところもありますが、県央福祉会さまの特徴は小規模の事業所が100カ所もあるところです。従来はそれぞれの事業所ごとに会計システムやソフトを入れていたため、効率が悪く、しかもセキュリティ面にも問題がありました。
そこでそれぞれの事業所で行っていた業務をITで一本化できないかと、2年前から県央福祉会さまとNTT東日本と当社の3者でプロジェクトを組み、議論しながら築きあげたのが今回のクラウドサーバとインフラ基盤サービスを利用したシステムです。昨年4月に環境が整い、これから会計ソフトや請求ソフト、人事管理システム等を導入し、より有効に活用しておられます。
データが共有化できてセキュリティ面も大いに進化
今回のシステムができるまでは、Aの事業所のデータが欲しいというときにはAの事業所まで行ってパソコンを借りるということもありました。もちろんメールでデータのやりとりもできましたが、紙ベースですと印鑑を押してからさらにその紙をスキャニングして送るという手間があり、これがイントラネットが確立されたことで効率的にデータのやりとりができるようになりました。
また、職員の就業規則も従来は紙で印刷して配っていたのですが、内容が変わるごとにいちいち直して100カ所に配らなければなりませんでした。それが今はクラウドサーバのひとつのフォルダに最新版が管理されているので、そこだけ直せばよくなったのです。また、100の事業所を内線電話で結ぶということもできるようになりました。
それと何よりも大きな成果だったのがセキュリティが高まったこと。今まで100の事業所にそれぞれサーバやインターネットの接続があったので、不審者の侵入口が100あったようなものでした。また、職員がデータをコピーして持ち帰ることも容易にできる環境だったのです。県央福祉会さまでは利用者の銀行口座や服用している薬の情報といった大切な個人情報を抱えています。それが今はセキュリティ機能の高いクラウドサーバにデータが管理されているわけですから安心です。また、自宅作業が必要な職員は自宅のパソコンからクラウドサーバにリモートアクセスできてデータを見ることができますが、自宅のパソコンにはデータは残らないというのも安心なところです。
89項目の目標のクリアと職員のリテラシーの向上が今後の課題
これからの活用方法はまだいろいろと考えているところですが、ひとつには100カ所の事業所が参加するテレビ会議をできるようにしたいという構想があります。これまでですと研修をしようと思っても職員の勤務シフトの違いから、1300名のうち300名しか集まらないこともありました。それがこれからは全事業所の職員に講習を受けさせたい時、テレビ会議を使えば勤務シフトの違う職員でも講習が受けられるようになります。このテレビ会議は既に実行していますが、県央福祉会さまではIT活用のための改善項目を89項目設定して取り組んでいるそうです。
それとせっかく環境を整ったのですが、職員の情報リテラシーの面がまだまだ低いので、利用者の個人情報の取り扱いやメールの送受信のルールなどを「eラーニングシステム」を利用して勉強してもらおうとも考えています。将来的にはロボットをもっと介護に有効に使えないかなどというようなことも考えており、新しいことへの取り組みが利用者のメリットになり、また職員のエネルギーになると期待しています。
高いセキュリティ性を保ちながら、必要な情報にリモートアクセスできるFogosPro。事業所間の移動や出張の多い業態で、特に力を発揮すると言えそうです。
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